photo_tetsuya tsurumi

名称:morinomiya RPG
所在地:大阪府大阪市森ノ宮中央
構造:RC造5階のうち3階
主要用途:事務所(コワーキングスペース)
占有面積:160.9㎡
企画・基本設計・実施設計・工事監理・家具計画・植栽計画

このプロジェクトはクライアントから企画段階から相談いただき、初期段階から深い議論を重ねたことで生まれたコワーキングスペースである。

きっかけは当たり前の様にオフィスで他人と空間を共にして働いている人がほとんであると思うが、「働く」とは何か?という問いかけから始まっている。
クライアントの代表取締役である三島裕氏が提唱する「働く」とはそれはRPGゲームの勇者の冒険の様なもの。
「ドラクエみたいなもんやろ。」
この一言から始まったと言っても過言ではない。

彼は働くことを
仲間を探して(社員やパートナー)、武器(パソコンやツール)を手に入れて、ダンジョン(プロジェクト)に挑み経験値と報酬を得ている事に近いと私に説いた。それは当時独立して間もなかった私自身と共同事業者の大野氏もとても共感できるものであった。

こうしてRPG projectが発足し、コワーキングスペースを3人で計画することとなった。

仕事をRPGゲームに見立てていることから内装は全てゲームによくあるのアクセスポイントとなっており、
エントランス = はじまりの町
会議室 = 城
資料室 = ライブラリー
作業エリア = フィールド(荒野フィールド、氷フィールド、草原フィールド)
休憩スペース = 酒場
などとふざけている様でそれぞれのスペースの役割を真剣に表現する設となっている。

特徴となっている各デスクは異なる床高さの上に存在させることで、コワーキングスペースでも他人と距離感を図りつつ、フィールとを眺めるとどこからでも働く勇者達が目に付く計画となっている。

オフィスの各空間がどれも働く人々には重要なポイントとなり、「働く」をポジティブにさせ、「働く」を通じてコワーキングスペースに集まる勇者同士が出会い戦うスペースとすることが出来た。仕事が趣味という言葉をよく耳にするが、仕事は生きることであり、その生き方を考えさせられるプロジェクトである。

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