名称:株式会社堀川製作所 事務所棟
種別:増築
所在地:富山県南砺市
主要用途:工場
施工:中越興業株式会社
photo:髙嶋頌介

 

 

創業以来、様々な形のものづくりを支えてきた金属加工のスペシャリスト「堀川製作所」
2023年、現社長へと経営が引き継がれたことをきっかけに、事務所棟の建替えプロジェクトが始まりました。

「これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、もっと風通しの良い会社へ。」
そんな社長の想いをかたちにするため、これまで敷地内で分散していた事務部門を一つの空間へ集約。
まとまった各部門のデスクや社長室は、視線や気配がゆるやかにつながることで、互いの仕事や会話が自然と伝わり、組織全体の一体感を育む空間としました。

 

富山県砺波地域に広がる散居村の風景を尊重して、建物周囲に回廊を設け、下屋を巡らせることで軒先を意図的に低く抑えたファサードを形成し、地域の景色に寄り添った風景を目指しました。
また、3段構成の屋根は、1961年(昭和36年)から歴史を重ねてきた堀川製作所の次の歴史を重ねる傘として表現をしています。
北陸の雨空、深く積る雪から社員を守り、力を合わせ集う1つの傘を象徴するために、屋根は執務スペースや共有部と連続的につながり、内外に渡り一体的なデザインとしています。

 

一方で、この場所には長年会社を見守ってきた社長のご実家があり、かつては旅館として営まれていた歴史もありました。
本プロジェクトに伴い、建物はその役目を終えたが、その記憶までは失いたくない。
そんな社長たっての希望から、住宅で使われていた一本の古い梁を丁寧に加工し、打ち合わせスペースのテーブルとして新たな形に変えました。

 

また、エントランス〜執務室に面する中庭には、屋根に円形の開口を設け、時間とともに移ろう光、雨や雪が静かに降り注ぐ様子を室内から感じられ、自然と建築のつながりを与える仕組みとして計画しています。

2階には南砺市の山々を望む会議室が訪れる人を美しい景色でもてなし、地域とのつながりや、この土地で働く豊かさを感じられる場所としました。

 

受け継いできた歴史を大切にしながら、新しい時代へ歩みを続ける。
その決意を建築としてかたちにしたプロジェクトです。

 

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